
元請けってよく聞くけど、どういう意味?
下請けとの違いって何だろう…?

建設業界に入ったばかりの方や、建設業に関わる事務職を目指している方にとって、「元請け・下請け」という言葉は最初につまずきやすいポイントです。

私も入社したばかりの頃は業界未経験だったので全く分かりませんでした。
今日もお疲れ様です!
建設業事務員の★れなママ★です。
この記事では、建設業界の仕組みや実際の工事の流れを踏まえながら、「元請けと下請けの違い」をわかりやすく解説します。現場や書類でのやり取りをスムーズにするためにも、ぜひ基本を押さえておきましょう!
そもそも「元請け」とは?わかりやすく解説!
元請けとは発注者から直接仕事を請ける会社のこと
「元請け(もとうけ)」とは、建設工事の依頼主(=発注者)から直接契約を結び、工事全体の取りまとめを行う会社のことです。
たとえば、ある会社が新しいオフィスビルを建てたいと考えたとき、その工事を任せるのが「元請け」です。元請けは、工事の全体計画、工程管理、安全管理、品質管理などを担当し、工事が無事に終わるまで責任を持ちます。
発注者=建物を建てたい人・企業
発注者とは、工事を「お金を出して発注する側」のことです。個人のお客様のときもあれば、企業や自治体などが発注者になることもあります。
元請けは、この発注者と直接やり取りし、「どんな建物を作るのか」「予算や納期はどうするのか」などを打ち合わせして、契約を交わします。
元請けは工事全体の責任者
元請けは「現場監督」のような存在。実際に建物を作るには、たくさんの作業(基礎工事、大工工事、電気工事など)が必要になりますが、それを専門業者に分けて依頼し、スケジュールや品質を全体的に管理します。
下請けとは?元請けとの違いを整理しよう
下請けは元請けから仕事を受ける会社
「下請け(したうけ)」とは、元請けから依頼を受けて、実際に工事の一部を請け負う会社のことです。たとえば、電気工事会社や水道工事会社、塗装業者などがこれに当たります。
契約上、下請けは元請けとやり取りし、発注者とは直接契約をしません。
下請けは専門工事を担当することが多い
下請け会社はそれぞれ専門性の高い業務を担当します。以下のような例があります:
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電気工事:コンセントや照明の配線
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設備工事:水道・ガス・空調
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足場工事:作業用の仮設足場を組む
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鉄筋工事:建物の骨組みを作る
つまり、現場で「手を動かす」作業の多くは下請けの職人さんたちが担っているのです。
元請けと下請けの関係は「上下関係」ではなく「役割の違い」
名前だけを見ると「元請け=上」「下請け=下」という印象を受けがちですが、これはあくまで契約上の役割の違いを表した言葉です。
実際の現場では、下請けの職人さんたちの技術や経験に支えられて工事が成り立っています。どちらが「偉い」わけではなく、お互いの信頼関係が大切なのです。
「一次下請け」「二次下請け」って何?建設業のピラミッド構造
元請け→一次下請け→二次下請け…と仕事が流れていく仕組み
建設業の特徴の一つが「多重下請け構造」です。元請けが直接依頼する下請けを「一次下請け」、さらにその下に依頼されるのが「二次下請け」と呼ばれます。
例えば、元請けが電気工事を「A電気株式会社」に依頼(一次下請け)。A電気が人手が足りないため、「B電工」に部分的な作業を依頼(これが二次下請け)…という流れです。
実際の現場でよくあるケース
ある中規模ビルの工事では、以下のような構造になることがあります:
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発注者:〇〇不動産株式会社
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元請け:△△建設株式会社
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一次下請け:電気(A電気)、設備(B設備)
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二次下請け:配線(C電工)、空調配管(D設備工業)
このように、工事の規模が大きくなるほど、関わる会社が増える傾向があります。
図解で理解!元請けと下請けの関係性

図解:建設業における元請けと下請けの関係性。上から下へ、多重下請け構造がピラミッド型で形成されている。
このように「発注→元請け→下請け→孫請け(=二次下請け)」という流れで仕事が分担されていきます。
元請けと下請け、どっちが偉いの?よくある誤解を解消
「元請け=偉い」「下請け=下の立場」ではない理由
「元請けの方が偉い」と思われがちですが、実際には役割が違うだけです。
元請けは全体を調整する責任があり、下請けは専門技術で現場を支えています。どちらもなくてはならない存在です。
お互いに信頼関係があって成り立つ工事現場
現場では「指示通りに動いてもらう」だけではスムーズに進みません。下請け側からの提案や、経験に基づく改善案が活かされることも多く、信頼関係がとても大切です。
トラブルを避けるためのルールやマナーも大切
建設業法では、下請けに対して不当な契約や支払い遅延を防ぐためのルールが定められています。発注者・元請け・下請け、全員が安心して働ける環境づくりが求められています。
新人事務員さん向け!元請け・下請けを理解して仕事に活かすには?
書類作成でよくある「発注者」「元請」「下請」の書き分け
契約書、注文書、請求書などで「どの会社がどの立場か」を正しく理解しておくことはとても重要です。特に、建設業では誤った表記がトラブルにつながることもあるため、基本的な構造は押さえておきましょう。
📌あわせて読みたい

電話・来客対応で「どこの会社の人か」が分かるようになる
「〇〇建設の△△です」と言われたときに、「あ、うちが元請けで、あの会社は一次下請けだったな」と分かるだけで、対応力がグッと上がります。
契約書や請求書にも関わる重要な知識!
元請け・下請けの違いが分かっていれば、「どちらが発注者で、どちらが請け負う側か」を正しく把握でき、ミスのない書類作成につながります。
まとめ|元請けと下請けの違いを理解すれば仕事がスムーズに!
建設業界で使われる「元請け」「下請け」という言葉は、最初は分かりづらく感じるかもしれませんが、役割の違いさえ理解すれば怖くありません。
ポイントは:
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元請け=発注者と直接契約を結び工事全体を請け負い、管理する会社
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下請け=専門的な作業を担当する会社
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「偉い・下」ではなく、「役割が違うだけ」
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書類・会話・対応力アップのために基本を押さえることが大切
仕事や現場でこの知識が役立つ場面はたくさんあります。ぜひ、この記事を何度でも読み返して、現場や事務作業に自信を持って臨んでくださいね!
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